後方進入による除圧術です。
椎弓に切り込みを入れて開き、間に人工骨や患者さん自身の骨を挿入して脊柱管を広げ、脊髄の圧迫を取り除きます。
椎弓を開く方法として、椎弓の正中で開く方法(縦割法じゅうかつ)と、椎弓の片側に切り込みを入れてドアのように開く方法(片開き法)があります。
動画で見る椎弓形成術(縦割法)
動画で見る椎弓形成術(片開き法)
適応となる主な疾患
頚椎症性脊髄症(3つ以上の椎間で狭窄がある場合)、後縦靭帯骨化症、頚椎ヘルニア(発育性脊柱管狭窄症を伴う場合)、脊髄腫瘍など
術後の経過
ベッド上安静
患者さんの状態により違いがありますが、一般的には、術後1~3日目からの歩行が目安となります。
頚椎の固定装具(カラー)
装着しないことが多くなっています。ただし、骨のつき具合や患者さんの状態によって装着する場合もあります。
合併症
- 手術部位の周辺の組織や神経の損傷
- 脊髄や神経根の損傷
- 髄液漏(ずいえきろう):脊髄を覆っている膜が傷つき、脳と脊髄の周囲を循環している脳脊髄液(のうせきずいえき)が外に漏れ出すこと
- 移植骨がずれる:人工骨や患者さん自身の骨がずれてしまうこと
- 深部静脈血栓症
- 血腫:内出血によって血液がたまること