固定術を行った場合は、骨が完全につくまでの期間(およそ4~6ヶ月間)は、腰に負担のかからない仰向けの姿勢で行うようにしましょう。
また激しい動きは避けましょう。
手術の方法や患者さんの状態により異なりすので、医師、看護師、理学療法士の指導に従って下さい。
手術の方法や手術する範囲によって手術料は異なります。
また、医療機関によって室料などの入院費用も異なり、さらに患者さんの医療保険の種類によっても自己負担額が異なります。
詳しくは医療機関の医療相談窓口等にお尋ね下さい。
疾患の種類や患者さんの年齢などによって、後に金属を抜去する場合もあります。
詳しくは主治医にお尋ね下さい。
種目にもよりますが、脊椎が安定してから始めるのが安全です。
必ず主治医に確認しましょう。
多くの場合、特別なリハビリテーションは必要ありません。
退院後の運動は1日に30分程度の歩行を2回くらい行うとよいでしょう。
無理をせず、疲れたら休むようにしましょう。
定期的な外来受診で体調をみながら、医師と相談して運動量を決めて下さい。
手術前から運動麻痺が強く、運動能力の低下が著しい場合にはリハビリテーション専門病院での治療が勧められる場合があります。
主治医とご相談ください。
脊椎に金属(プレートやスクリューなど)を入れた部分への電気治療は絶対に避けて下さい。
体内の金属が熱くなり、周辺の組織を傷める可能性があります。
電気治療を勧められた場合は、必ず背中に金属が入っていることを伝えて下さい。
痛み止めなどの薬を使用している期間は禁止です。必ず医師に確認して下さい。
頚椎の手術を受けたかたは、自転車と同様、首の動きが制限されているため非常に危険です。
必ず医師の許可を得てから運転するようにして下さい。
必ず主治医に確認しましょう。
退院後の生活に慣れてからの方が無難です。
腰椎の手術を受けたかたは、前傾した姿勢になる本格的なサイクリング自転車は避けた方がよいでしょう。
また、頚椎の手術を受けたかたは、首の動きが制限されることで視野が狭くなっています。
必ず医師の許可を得てから乗るようにして下さい。
初めて受診する医療機関や診療科では、既往歴として必ず伝えて下さい。
また、金属で固定しているかたが、MRI(磁気共鳴装置)など強力な磁場が発生する検査を勧められた場合は必ず主治医に相談して下さい。
一般的には次のような場合に手術が行われます。
1、神経の圧迫による症状(手足の痛みやしびれ、筋力低下など)がある場合
2、痛みが強く、日常生活に支障がある場合
3、脊椎の変形が著しい場合
4、腫瘍や感染、けがなどで脊椎が破壊された場合
一般的には薬物療法などの保存療法で症状の改善がみられない場合に手術が行われます。
また、脊髄症状や馬尾症状が急激に悪化した場合等には緊急手術を行う場合もあります。
手術を受ける時期や方法については、緊急の場合や重症の場合を除いて、患者さん個々の状態やライフスタイル等を考慮しながら医師とよく相談することが大切です。
神経の圧迫による痛みやしびれ等の症状を改善するために行われている手術は、神経の圧迫を取り除く手術(除圧術)と脊椎を固定する手術(固定術)であり、神経そのものを直接回復させる手術ではありません。
ですから、神経の回復の度合いによって症状の改善に違いが出てきます。
神経のダメージが少なければ比較的早期に症状の改善が みられますが、ダメージが大きければ症状の改善に時間がかかったり、また、症状が残る場合もあります。
この他、患者さんの痛みやしびれに対する感受性による個人差も考えられます。
いずれにしても手術前に主治医から病状と手術の効果や合併症についての説明をよく聞き、わからないことや不安なことは納得のいくまで相談して手術にのぞむようにしましょう。
温熱療法やマッサージなどの理学療法や、装具療法(コルセット等)、牽引療法(脊椎を適切な方向に引っぱる)の他、薬物を使用する治療があります。
薬物療法では、シップなどの外用薬や経口の痛み止め、坐薬などを用います。
また、神経症状を伴う腰痛の場合は、神経ブロック療法を用いる場合があります。
痛みの原因となっている神経根へ直接ステロイド剤や局所麻酔剤を注入して炎症や痛みを抑えます。
いずれの場合も、患者さんの状態に合わせて医師が処方をします。詳しくは主治医にご相談下さい。